アスペルガー症候群(ASD)の人には、猫好きな人が多い気がする…。
そんな漠然とした印象を持っていたところ、興味深い情報を小耳にはさんだ。
そんなわけで今回は、アスペルガー症候群と猫との関係や、ASDの人が猫を飼うメリットについてまとめました。
頑張るどなたかの参考に、少しでもなれば嬉しく思います。
▼この記事がおすすめの方
- アスペルガー症候群(ASD)の方
- ご家族・恋人
- アスペルガーの特性のある方
▼読んでくださる皆様へ
アスペルガー症候群(ASD)と診断済の男性と真剣にお付き合いしていた頃の経験談を、定型発達(未診断)の女性の立場からまとめています。
既にお別れしていますが、時間が経ったいま穏やかに振り返ってみて「あの時、自分や彼にこれができていたら、こういうことを知っていたら、何か違っていたのかもしれないな」「あの時こうして良かったな」「これは失敗だったな」みたいなことを、当時を振り返りながら綴っています。
参考程度にお読みいただくことで、考えるヒントや希望が見つかれば幸いです。
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アスペルガーの人と猫についての個人的な印象
私は、アスペルガー症候群(ASD)の人には猫好きな人が多いという、個人的な印象を持っている。
もちろん皆が皆そうではないと思うが、少なくとも私の身近では例が多い。
猫が大好きという人が多い
とりあえず、当時お付き合いしていたアスペルガーの彼は、無類の猫好きだった。
初めて一緒に行った場所は、猫カフェ。
猫を探しに散歩へ出ることも度々。
自宅でも猫を飼っていた。
当時は、彼が猫好きなのかアスペルガーの人に猫好きが多いのか、特に意識はしていなかった。
私がアスペルガーの人に猫好きが多いと思い始めたのは、彼と付き合って半年ほどが経過した頃。
理解不足による私と彼のすれ違いを減らすために、私が勉強したり当事者の方に話を伺ったりしていた時期。
そのなかで知り合うことになった数名の友人やTwitterでお見かけした方々は、皆さんそろって猫が大好きだったのだ。
猫を飼っている人が多い
もちろん、猫に興味のないアスペルガーの方もおいでだと思う。
それにしても、彼といい、アスペルガーと診断済の友人といい、Twitterでつながった方々といい、私の周りには猫が大好きなアスペルガーさんが多い。
彼や友人たちに限っては、自宅で猫を飼っている。
そんなわけで私は、アスペルガーの人は猫好きで、猫を飼っている人も多い、という個人的な印象を持つようになった。
メンタリストDaiGoさんのYouTubeで紹介されたアスペルガー症候群と猫との関係
アスペルガー症候群(ASD)の人には、猫好きな人が多い気がする…。
そんな漠然とした印象を持っていたところ、興味深い情報を小耳にはさんだ。
メンタリストのDaiGoさんのYouTubeで、アスペルガー症候群や自閉症と、猫についての研究が紹介されていたのだ。
猫を飼うとアスペルガー症候群の人のソーシャルスキルが向上
なんでも、猫を飼うことでアスペルガー症候群・自閉症の人のソーシャルスキルが向上するとか。
当時付き合っていた彼もそうだったが、アスペルガーの人は、対人コミュニケーションで悩んだり困ったりしてしまうことが非常に多い。
そんな、彼らが苦手としがちなソーシャルスキルが、猫を飼うことで改善されることを明らかにした研究があるというのだ。
気になったので、自分でも調べて読んでみた。
アスペルガー症候群と猫に関する研究
研究内容
研究はミズーリ大学が行ったもので、アスペルガー症候群(ASD)の子供がいる家庭で猫を飼うことで、子供たちの症状が改善するのかについて調べている。
研究方法
自閉症スペクトラム障害やアスペルガー症候群の子供を、シェルターの猫を飼う・飼わないの2つのグループに分け、18週間の追跡調査を行う。
研究結果
猫を飼って6週間で
- いじめの減少
- 多動性・不注意の減少
- 分離不安の低下
が確認された。
さらに猫を飼って12週間で
- 共感能力の向上
も認められた。
研究の結論
研究の結論としては、猫を飼うことはアスペルガー症候群の子供たちとその家族にとってプラスの影響があるだろう、とまとめられている。
参考:Gretchen K. Carlisle; Rebecca A. Johnson; Ze Wang; Jessica Bibbo; Nancy Cheak-Zamora; Leslie A. Lyons. Exploratory study of cat adoption in families of children with autism: Impact on children’s social skills and anxiety .Journal of Pediatric Nursing ( IF 1.495 ) Pub Date : 2020-12-06 , DOI: 10.1016/j.pedn.2020.11.011
アスペルガー症候群と猫の関係まとめ
上の研究で明らかになったアスペルガー症候群と猫の関係をまとめると
アスペルガー症候群の子供がいる家庭で保護猫を飼育することで、猫を飼わなかった場合と比べて18週間で
- いじめの減少
- 多動性・不注意の減少
- 分離不安の低下
- 共感能力の向上
が確認された!
上の4つは、アスペルガー症候群の特性として、実際に対人関係において当事者が悩んだり困ったりすることが多い項目だ。
しかし、猫を飼うことでマイナスとなりがちなこれらの特性を抑え、ソーシャルスキルの向上が期待できるのでないか、というのがこの研究の大意だ。
アスペルガーの人が猫を飼うメリット
猫を飼うメリット
アスペルガー症候群の人が猫を飼うメリットとしては、脳の特性的に苦手となりがちな部分を抑えることで、自身が得意とする部分を活かしやすくなる、ということが言えそうだ。
例えば、私が付き合っていた彼の場合、音楽については非凡な才能を持っており、楽器に触れたり楽器を作ったりならいくらでもできる人だった。
ただ、ソーシャルスキルの部分でアスペルガー症候群特有の困難があったため、学校・社会で生きづらさを感じ、そちらに引っ張られてしまいなかなか特技に集中できない、という事態が発生していた。
非常にもったいないことだ。
もし猫を飼うだけで自然とソーシャルスキルが向上するなら、これは大きなメリットではないだろうか。
実際どうなの?彼と猫の話
高校生の頃は生きづらさから非常に荒れていた彼だが、ある時猫を飼い始めてから、以前に比べると若干落ち着いたように、昔の話を聴いているぶんには思ったものだ。
実際に彼は、小さい頃から人と違うことでいじめられることがあったという。
また、注意欠陥・多動性障害(ADHD)は、アスペルガー症候群(ASD)と併発しているケースも多く、彼もまたその1人だった。
さらに、アスペルガー症候群は脳の特性上、日常的にマイナスなことばかりを反芻して考えてしまったり、楽しいことよりも嫌なことばかりを思い出してしまったりすることが多い。実際彼も1人でいると、よく不安に襲われて崖っぷちへ行ってしまっていた。
そして、共感能力の欠如もアスペルガー症候群によく見られる特性で、社会で大多数の人が「普通」にやっていることに疑問を抱くことが多かった。これは私もだが。
そんな彼も、私と出会う頃には、大学に通いサークルに属し、アルバイトも続いていた。
私に「普通」にアプローチをしてくれてお付き合いするに至ったのは、私が普通じゃなかった可能性もあるが、とても自然だった。
なにより、猫をなでる彼は穏やかで幸せそうだった。
一定の効果はあったのかもしれない。
アスペルガーと猫に関する本『ねこはみんなアスペルガー症候群』
余談だが、アスペルガーと猫に関する本で『ねこは みんな アスペルガー症候群』というものがある。
本というより写真集というべきか、愛らしい猫たちに癒されながら、アスペルガー症候群の特性を知ることができる1冊だ。
知識の有無に関わらず、とてもわかりやすい内容で、年齢を問わず読みやすいのでおすすめです。
気になる方は是非チェックしてみてください。
おわりに
以上、アスペルガーと猫について思うことや知ったことをまとめる回でした。
少しでもしんどさが軽減できる方法が見つかれば幸いです。
お読みいただきありがとうございました。
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